【開催レポ】5/14 和の装いdeビブリオバトル

2022年5月14日、横浜市大佛次郎記念館で「和の装いdeビブリオバトル」を開催しました。

花岡は企画と司会を担当いたしました。以下、参加者と紹介本、そしてバトルの様子をお伝えします。

ローズガーデンは満開の薔薇でした。

和室ことお茶室にて開催。

実施内容

2022年5月14日(土)13:00〜16:00
参加者:15名(司会含む)
内訳:バトラー8名、観戦6名
記念館スタッフ4名
テーマ「和」
※バトラーは和装(かんざしやバッグなどのワンポイントでもOK)すること。

バトル前に、現在行われている展示「頼朝と桜子 大佛次郎が紡いだ武士と雅」を見学。
担当スタッフによる解説付きでじっくりと観ることができました。

2階には大佛次郎が使用していたソファセット一式が置かれ、5月らしい飾り付けがされていました。

紹介本一覧

がチャンプ本です。

<第1ゲーム>
  1. 夏井いつき『2022年版 夏井いつきの365日季語手帖』(2021, レゾンクリエイト)

  2. 早坂暁『華日記-昭和生け花戦国史』(1998, 小学館)※文庫版

  3. 稲田大樹『極彩色の京都 四季の名所めぐり』(2021, KADOKAWA

  4. Francois Place”LE VIEUX FOU DE DESSIN”(2001, Gallimard Jeunesse)

【バトルの様子】

 1冊目は『2022年版 夏井いつきの365日季語手帖』。TV番組で俳句を添削する人気コーナーを担当する著者による、365日の季語にちなんだ俳句集。実は毎年一般で句を公募し、こちらの本に掲載しているのだとか。来年の掲載を狙うならまだ間に合います!

 2冊目は『華日記-昭和生け花戦国史』。荒廃した第2時世界大戦後の日本で、それぞれの家元の復興をかけて熾烈な争いを繰り広げた華道界を描いた長編小説。美しい花の裏に胎動する人間の欲望と野心、結末や如何に。

 3冊目は『極彩色の京都 四季の名所めぐり』。京都住まいの著者による美しい京都の写真集。実際に京都旅行の参考にとお手に取られたそうです。色鮮やかな写真は京都の思い出をより一層「京都らしく」、感動を形作り残していくものだそうです。

 4冊目はフランス語の絵本”LE VIEUX FOU DE DESSIN”。晩年「画狂」と名乗った葛飾北斎を題材に、日本文化の解説を丁寧にしている児童書です。バトラーさんは現在フランス語を学習されており「自分でも読めるかも!」と思って手に取ったところ、予想以上に詳細な日本についての解説がついており驚いたのだとか。

 チャンプ本は『華日記-昭和生け花戦国史』でした!おめでとうございます!
新緑の中でバラが咲き乱れる中、華道を題材にした本がチャンプ本に選ばれたことに縁を感じます。

 

<第2ゲーム>
  1. 森下典子『日々是好日 「お茶」が教えてくれた15の幸せ』(2008, 新潮社)

  2. ティーブン・ウォルシュ『和製英語 伝わらない単語、誤解される言葉』(2020, KADOKAWA

  3. 原田佳夏(著/文), なかひらまい(イラスト)『波の地図』(2021, 雷鳥社

  4. 土井善晴『一汁一菜でよいという提案』(2021, 新潮社)

【バトルの様子】

 1冊目は『日々是好日』。そもそも「茶道って何をしているんだろう?」と問いを持ったことがきっかけで手に取った本。25年茶道を続けている著者が、茶道で何を得ているのかについて描いたエッセイ。なかなか積読を読みきれない中、ふと手に取りするっと読めて自分の調子が戻ってきた本でもあるそうです。

 2冊目は『和製英語 伝わらない単語、誤解される単語』。著者はイギリス出身、現在は日本で教鞭もとられているそう。「ハイテンション」「サラリーマン」などは英語ではなく、日本で生まれた英語「和製英語」なのだそう。つい使ってしまう和製英語を改めて見直しつつ、伝わらない・誤解されるポイントに気をつけていこうというお話だそうです。

 3冊目は『波の地図』。ふんわりした絵に包まれた、手のひらに収まる細長い装丁。「文化としての波」をテーマに、海の波から音波まで、あらゆる「波」を集めたアートな1冊。ちなみに本屋さんでは地理・言語・自然等さまざまなジャンルに置かれているそうです。

 4冊目は『一汁一菜でよいという提案』。「今夜(夕飯)何する?」という一言、正直聞くのが好きじゃないという方、多いのではないでしょうか。料理研究家土井善晴先生は「ご飯、具沢山のお味噌汁でO K。強いて加えるならお漬物があれば十分」と日々の食事を提案します。シンプルなお料理にまつわるエッセイですが、「とにかく自分で味噌汁を作ってみよう!」という強烈な提案を実践すると、食べること、日本に息づく自然とつながることができます。土井先生流のお味噌汁の作り方も掲載。

 チャンプ本は『和製英語 伝わらない単語・誤解される単語』でした!読むことでさらに言葉に磨きがかかりそうです。おめでとうございます!

 

終了後は自由行動でした。
私は有志で記念館に隣接している喫茶店:霧笛に移動して歓談の時間を過ごしました。

大佛夫人のオリジナルレシピに忠実に作られた名物のチーズケーキ

記念館の和室について

今回利用した大佛次郎記念館の和室は、事前に申し込みをすれば借りることができます(有料)。
その他、会議室もあるため、打ち合わせや句会などに使用されることがあるそうです。

osaragi.yafjp.org

今回、私にとっても久しぶりのビブリオバトルとなったため、対面ってこんなに楽しいんだ!!!と改めて感じる機会になりました。

今後やるなら浴衣?思い切って貸衣装屋さんで揃えてみる?...といった新たなアイデアも浮かんできています。

また開催できれば嬉しいです。

バトル開始前にやってきた野良猫さん。目線はもらえませんでした。