今月読んだ本・みた映画【2024年2月編】

 こんにちは。猫子です。

 悔しい。もう4月じゃないか。
こんなになるまで2月分の振り返りを放置するなんて、我ながら情けない。

 ただ、2月は本にせよ映画にせよ思ったよりも読めたり見れたりしたので非常に充実はしていた、気がする。

書籍編

アンディ・ウィアー 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』下巻

 図書館で予約してから、およそ1年ほど待っただろうか。
上巻を読み終わってから時間も経っての読書となってしまったが、それでも経過した時間を全く感じさせず続きから集中できた。

 予期せぬ&奇跡的な遭遇から更なる探求と困難、明らかになる「自分がヘイル・メアリー号に乗っている理由」、後半は読みながら泣き、お話がひと段落した先でまた脱力するように涙が止まらなかった。

 友人知人には「宇宙のことよく知らなくても面白いから!」という言葉を枕に紹介しているお話だ。

詠里 『僕らには僕らの言葉がある』

 友人からのおススメで購入。

 高校初の「インテグレーション生」として、入学式で手話を使って挨拶をした"ろう"の相澤真白。「野球さえできればいい」と聞き流していた健聴者の野中宏晃は、放課後の野球部でピッチャー希望の新入生としてやってきた相澤と再び出会う。バッテリーを組まされ「こんなやつ別に...」と思っていたが、相澤が自分に向かって投げたボールを受けて出た言葉は「ナイスボール...」だった。

僕らには僕らの言葉がある 詠里(著/文) - KADOKAWA | 版元ドットコム (hanmoto.com)

 以上の紹介は版元ドットコムの「紹介」欄を参考にまとめたもの。

 読みながら、学生の時に手話で会話したときを懐かしく思い出した。

 正直、自分は手話を教わるだけであまり何もできなかったと思う。
けど、手話が通じたとき・読み取れた時のうれしさ、「ちょっと手話ができるからってろう者のことをわかった気になるなよ」と言われて落ち込んだ時(※でも言われて初めて気が付いたので今ではいい経験だと思っている)、久しぶりに会った先輩と話したら「指文字早くなってない?」と言われて驚いたこと、ざっと思いつくのはこのあたり。

 好きなのは、野中君のお母さんが初めて相澤君に会った時のシーン。
そりゃ初めてろう者に会ったらどうしたらいいかわからないよね、と思いつつ、それでも冷静に対応した相澤君や、若干の照れくささを抑えてお母さんとしっかり話そうとする野中君の様子がすごくよかった。

 つまり一つの青春を丁寧に描いているのだ、実によい。

 調べたところ作者さんご自身のnoteもあるので、こちらもぜひ。

『僕らには僕らの言葉がある』出版に寄せて|詠里 (note.com)

佐藤二葉 『アンナ・コムネナ』4巻

 わーい『アンナ・コムネナ』の新刊だー。

 読者としては「大切なものが違う姉弟のすれ違い」を見ている感覚なのだけど、時代の流れも相まってどんどんきな臭い方向に行ってないか、生きてよ!?ねぇ!!!

九井諒子ダンジョン飯』1巻〜

※この文章を書いている時点では最終巻まで読めていません。

 アニメが面白くて「そういえば単行本買っていたよなぁ~」と押し入れまでひっくり返しても本が見つからず、結局本屋さんで全巻腕に抱えて丸っと買いなおした。

 やっぱり本は売ると後で後悔するものなのかも...。

 最初は単純に「その魔物、どう食べる?」という点を突き詰めていく過程が興味深くて読んでいくが、お話としては単行本4巻の終わりからが本番。

 いったん解決に見えた「ファリン救出劇」がぐるりとひっくり返されていき、随所に挟まれた「このダンジョンの成り立ち」の伏線が立ち上がり、さらにはダンジョンを目的に新たな勢力も混ざってきて...という群像劇としての性格が強まる...けれど魔物グルメな部分は最後まで変わることがない...すごい、ぶれない、というのが現時点での感想である。

張六郎 『千年狐』6巻

 ゆるゆるなテンションとシリアスのバランスが絶妙な中華古典ギャグファンタジー漫画、ゆっくりペースで読んでいくけど、どこかで一気読みしてどっぷり浸りたいとも思う...。

ダニー・ネフセタイ著、永尾俊彦構成 『イスラエル軍 元兵士が語る非戦論』

 パレスチナで起きていることがあんまりにもあんまりなので、何かしないと!と思って取り急ぎ購入した一冊。

 あくまで著者のダニーさん目線ではあるけれど、イスラエルの中で起きている教育や習慣がほとんど「行き過ぎた愛国教育」のようなもので、最終的には「国のために死ぬのは素晴らしい」と言っているのではないか?という点は読んでいてやるせなかった。

 ちなみに、パレスチナで起きている虐殺を止めるためにできることはものすごくいっぱいある。ぜひとも下記のドキュメントを参考にしてほしい。

docs.google.com

 ちなみに私は下記のサイトでクリック募金をするようにしている。

arab.org

トミイマサコトミイマサコ作品集 トミドロン』

 トミイマサコさんといえば『コカチン』の表紙をネットで見かけて購入したほど吸引力がある絵柄だなぁとおもっているのだけど、『これ描いて死ね』(※後述)のとよ田みのる先生のパートナーだったとは気が付かず...。

コカチン 佐和 みずえ(著/文) - 静山社 | 版元ドットコム (hanmoto.com)

 のびのびと思い思いに描いたプライベートの作品も、テーマに合わせた装丁用の作品もどれも見ごたえがあって、とにかくずっとめくっていて幸せな一冊。

とよ田みのる 『これ描いて死ね』5巻

 これも大好きな漫画。

 漫画同好会も新たなシーズンに突入、さらに新入部員があらわれたけど、正体は意外な人物で...。

 描く人、読む人すべてにエールを送る快作。最後まで駆け抜けてほしい。

映画編

ダム・マネー ウォール街を狙え!

dumbmoney.jp

COVID-19の影響でロックダウン敷かれていたアメリカで実際に起きた「ゲームストップ株騒動」が題材の映画。

米ゲームストップ株騒動 日本のカリスマ個人はこう見た - 日本経済新聞 (nikkei.com)

金融?株?空売り?よくわからない...と思っても大丈夫。

テンポよく話が進む中で「お父さんの勤め先が空売りにあっちゃって、何年も働いたのに年金がなくなって、結局死ぬまでしごとしなきゃいけないんだよね」と話す子がいるので、カラ売りの影響を実体験としても想像できるようなエピソードが盛り込まれているのだとても良い。

ただね、ギャグの8割近くが下ネタなのでその点だけ注意。

ファースト・カウ

firstcow.jp

 劇場で見終わり、明かりがついた瞬間「期待はずれだったわぁ~」と言いながら立ち上がるご婦人がいらっしゃった。

 いや、その気持ちもわかる。

 けどちょっと違うんだ、面白くないわけじゃないんだ。

 「はぐれ物の開拓者2人が、はじめてアメリカ大陸に輸入された牛から夜な夜なミルクを絞ってドーナツを作って売ってがっぽり儲けようとする」というあらすじがすでにとってもいいんだけど、いわゆるアクション大作じゃないんだ。

 評論家からは小津安二郎の系譜につらなる映画作家として言及されるケリー・ライカート筑摩書房のPR誌「ちくま」No.634であの蓮實重彦が褒めちぎっていて何事かとびっくりした)だもの、画面比率3:4のコンパクトな中でじっくり静かにドラマが展開していく。

www.chikumashobo.co.jp

 画面に映らないと頃もたくさんあるんだけど、それはそれで映らないなりに想像力を掻き立てられる作りになっている。

 あと、えらそうな総督のおっちゃんの奥さんが先住民の女性なのだけど、男性陣が外に出た瞬間、首長と来ていた女性と待ちかねたかのようにお話しする様子がいちばん胸に来たというか。すごいというか。ちゃんと抑圧の合間を縫って自分の気持ちを守っている強かさを感じたというか、おもっていた以上に描き方の目端が利いている映画だなと思うんだ。

 こういう話がもっとしたい。

 でも、一旦今回はここまで!

【開催レポ】4/6和装deビブリオバトル@大佛次郎記念館

 こんにちは、猫子です。

 4月6日に横浜の大佛次郎記念館で開催した「和装deビブリオバトル」の様子をお伝えします。

変更履歴

4/9:紹介本一覧の誤字を修正

ちょうどチューリップが見頃でした。

お茶室入り口の飾り付け。雅。

お茶室の窓から見える桜。

記念館のスタッフ曰く「今年は桜の開花が例年よりも2週間ほど遅くて、ちょうどいい日に開催できたと思います!」なのだそう。

私にとっては通勤時の車窓からでしか拝めなかった桜、静かなお茶室から眺める最高のロケーションでした。

お茶室の中、かまぼこ型のモチーフは記念館内のあちこちで見受けられます。

実施内容

日付:2024年4月6日(土) 12:45〜16:30
参加者:7名(司会含む)
内訳:バトラー5名、観戦1名、司会1名(※バトラーに記念館スタッフを含みます)
テーマ「猫」

展示の解説

 参加者の集合が確認できたら、まずは担当スタッフの方から開催中の展示「大佛次郎木村荘八 作家と画家、そして猫」について解説をいただきました。

osaragijiro-museum.jp

 大佛次郎の小説に多くの挿絵を寄せた洋画家・木村荘八との交流を焦点に当てた特別展です。

 2人は幕末から明治初期の「文明開化」の時代が好きであること、幼い頃から翻訳小説に親しんでいたこと、そして猫好きであったこと等数々の共通点があり、仕事を通じて交流を深めていったそうです。

 当時の新聞連載小説は新聞の中でも花形で、特に東京朝日新聞大阪朝日新聞(現:朝日新聞)と東京日日新聞(現:毎日新聞)が発行部数と購読者の数を競い合っていた時代でした。

 毎回、小説の内容にがっちりと噛み合った挿絵が載る、というのもすごいことですが、何より自分の好きなもの仕事にできてそれが大ヒット...なのはとても素敵ですね。

 展示の中には『霧笛』に寄せられた挿絵の原画がいくつかありましたが、縦と横、両方のタイプが存在します。

 スタッフの方によると「横のものは新聞掲載当時のもの、縦のものは戦後単行本化するときに本の形に合わせて改めて書き直したもの」だそうです。
なんでも、新聞掲載当時の原画は戦時中の混乱で半数近くが行方不明になってしまったため、書き直したのだとか。

 新聞に掲載された原画には欄外に細かい指示が書き込まれ、指示通りに印刷ができるように担当の人が非常に苦労をされたというお話もありました。

 残念ながら木村荘八が先に亡くなって(1958年)しまうのですが、形見として遺族から送られたものにも「猫のおもちゃ絵」があるなど、最後まで猫が心にあったのだと思いました。

ビブリオバトル

紹介本一覧(※左端は電子書籍です)

 展示開設の後は休憩を挟んでビブリオバトル。ジャンケンで勝った順から1番、2番、と決めていきました。また、今回は特別にチャンプ本獲得の方には副賞(※とらやの羊羹)も用意しました。たまたま花岡の手元にあったものなのですが、桜咲く麗らかな日のご縁という事で。

www.toraya-group.co.jp そのため、万が一同票で2冊以上がチャンプ本になった場合は決選投票をする、ということでゲームを進めていくことになりました。

 テーマは「猫」バトラーは和装(髪飾りやワンポイントOK)という縛りがありました。

 観覧の方も和装で揃えてくださった方もいて、とても嬉しかったです。

 以下は紹介本とバトルの様子をお伝えします。がついているものがチャンプ本です。

<紹介本一覧>

寺地はるな『架空の犬と嘘をつく猫』(中央公論新社
エドガー・アラン・ポー『ポー傑作選1 ゴシックホラー編 黒猫』
瀬戸内寂聴訳『源氏物語 巻六』(講談社)※紹介は単行本

 

野矢茂樹『語りえぬものを語る』(講談社学術文庫

 

大佛次郎『猫のいる日々』(徳間文庫)

【バトルの様子】

 1冊目は『架空の犬と嘘をつく猫』。『タイトルに「猫」が入っているのでチョイスしましたが、実は本文中に猫は出てきません』とのこと『強いていうなら、主人公が自分勝手な祖父に「事業のイメージキャラクターにするから猫の絵を描いてくれ」と言われて困惑しながら絵を描くシーンで猫が出てきます』とのこと。ビブリオバトルなので、もちろんこのような形でテーマに寄せていくこともOKです。

 内容としては「まともな大人が1人もいない家族」で育つことになった主人公の、30年間の成長の軌跡が描かれていきます。

 5年ごとのタイミングに合わせて章が分かれ、その時々の様子が淡々と描写されているそうですが、非常に暗い展開もあるものの、長い目で見たら「あの時は大変だったな」と思い返すこともできる...というある種のリアリティに満ちた内容で、読後感は意外とスッキリなのだそうです。

 2冊目は「猫といえば」の王道でエドガー・アラン・ポーの「黒猫」。

 大人しく動物好きの主人公はいつしか酒に溺れ、飼っていた猫を痛ましい方法で虐待し殺してしまいます。やがて自分を止めようとした妻にも手をかけ、その死体を地下室の壁に塗り込めてしまいますが...。

 作者のポーは早熟で、若い頃から才能溢れた作家だったそうです。が、辛い人生経験も多く、最期は謎の死を遂げてしまう...という方でもあったそうです(知らなかった...)

 「黒猫」自体は私も未読なのでなんともいえませんが、人間の暗部を余すことなく作品に仕立て上げた手腕が今でも人の心に響くのではないでしょうか。

 紹介の理由としては『テーマが「猫」だとみんなほっこりして可愛らしい本を選んでくると思ったので、あえて怖くて暗くて、幻想を打ち砕くような内容を持ってきてみた方が良いと思いました』とのこと。『どんな方に読んで欲しいですか』という質問には『動物モノの本を読んでほっこりしている方に現実を突きつけたいです』というお答えがありました。2冊目にしてのピリ辛なチョイスです。

 3冊目は瀬戸内寂聴訳の『源氏物語』。「巻六」とありますが、これは「若菜」の内容にあたります。

 紹介者の方曰く『欲しいものを全て手に入れた光源氏の没落が始まるのがこの「若菜」。それまでの巻は全て序章であるとも言えるほどです。』とのこと。

 54帖ある物語のうち、上下巻で分かれているのはこの「若菜」のみ。私はダイジェスト版とも言える版で全体をざっと見通しただけですが、紫式部もこの部分は気合を入れて描いたのではないでしょうか。

 ※ちなみにこの文章を書くにあたり、私が参考にしているのはこちら↓

 テーマ「猫」との繋がりとしては、『終わりの始まり、栄華の崩壊のきっかけが猫だったのです』。

 若菜の帖では、40代を迎えた光源氏が、訳あって親子ほど歳の離れた女三の宮を妻として迎え入れることになり、正妻である紫の上は冷静を装いつつも内心は心穏やかにはなれない。そんな中、光源氏の甥である柏木が蹴鞠の最中に休憩していたところ、女三の宮の元で飼われていた猫が御簾の下から走りでて、首につけていた綱がからまり、御簾の端が引き上げられて部屋が丸見えになってしまう。そのときに女三の宮を垣間見た柏木は彼女の可憐さに恋をし、相手が光源氏の「妻」であるにもかかわらず完全にのぼせ上がってしまう...。

 ここまで紹介された中で一気に時代が遡りました。自分も文章を書くにあたって読み返してみて、こんなところに猫が!と改めての発見となりました。

 ビブリオバトルで紹介本に迷ったら、古典の中に関連するシーンがないかを探してみても良いかもしれません。

 4冊目は野矢茂樹『語りえぬものを語る』。

 紹介してくださった方曰く『哲学の入門書なのですが、高校の教科書や大学入試に採用されるなど非常に話題の1冊です。つまり大人が「どうしても読ませたい!」と思っている本ということです』なのだそう。

 テーマ「猫」とのつながりはズバリ「猫は後悔するか」という章があるから。
『「猫は狩りに失敗した時に『ああすればよかった』と後悔するのだろうか?」という疑問を考えた章で、これに限らず、例えもわかりやすく、私もあまり哲学に馴染みはないんですが、難しい単語があっても読むとスッと入ってきます。1回が8ページほどなので、注釈まで含めて毎日読んでも100日は持ちます!』。

 ......つまり1冊で非常にお得ということですね。

 5冊目は大佛次郎『猫のいる日々』。

 ゲームのトリにしてド直球の猫本がきました。記念館にお勤めのスタッフさんによる紹介で、大佛次郎が手がけた猫にまつわるエッセイ・童話・短編などがまとめられています。

 中でもおすすめは子猫の視点で描いた童話(※タイトルを失念...)で、まさに猫の動き!!!と言いたくなるような描写の連続で大佛次郎の猫愛がビシビシ伝わってくる一作だそう。

 『大佛って、大人には厳しいところがあるんですよ。戦後の日本人を見て「そんなにアメリカ贔屓になって大丈夫か?日本の良いところを忘れていないか?」と批判的にはなっているんですが、子供に対しては「大丈夫だよ、絶対に明るい明日はやってくるからね」と徹底的に希望を語るんです』。

 荒廃した戦後の日本で多くの作家が立ち上がり、希望を語り続けたから今があるのかもしれません。

 ちなみにこの本、記念館の売店で購入することも可能です。来館の記念にぜひどうぞ(宣伝)。

 ちなみに、元々は大佛と親交の深かった画家・猪熊弦一郎による装画で出ていたものですが、表紙が岩合光昭さんの写真に変わってから一気に売り上げが伸びたそう......。

参考:猪熊弦一郎による挿画のバージョン↓

wagahaido.com

 ちなみに「書肆 吾輩堂」さんは偶然調べて出てきた本屋さんなんですが、福岡県にある猫本専門の書店さんなのですね、行きたい......。

 投票は参加人数が少なめであることもあり「読みたいと思った本を指差す」形式で実施しました。

 結果、チャンプ本は『語りえぬものを語る』に決定。おめでとうございます!

バトルを終えて

 終了後は自由に歓談と写真撮影を行いました。

 テーマが「猫」だから本がからよると思いきや、意外なチョイスが続き非常に楽しかった! とわいわいお話が弾みました。よかった....。

 自由解散で、館内で開催されている「大佛次郎 ねこ 写真展 2024」の投票のためぶらぶらと見てまわります。

300枚近くの応募があったという「大佛次郎 ねこ写真展2024」。

 正直1枚になんて選べない...ぐらい愛情深い写真がたくさん。猫好きにはたまらない幸せな空間でした。

 開催期間は4/14(日)まで、SNS上の「いいね」も投票としてカウントするそうなので、ぜひご覧になってみてください。

osaragijiro-museum.jp

twitter.com ではまた次回っ!

【宣伝】4/6(土)、和の装いdeビブリオバトル@大佛次郎記念館 のお知らせ

こんにちは。猫子です。
年度末の作業量で正直きつい状態ですが、お知らせです。

 

4/6(土)に横浜の大佛次郎記念館「和の装いdeビブリオバトル」が開催予定です。
私はここで司会を務めます。

テーマは「猫」。
開催中のテーマ展示「大佛次郎木村荘八―作家と画家、そして猫」と「大佛次郎×ねこ写真展2024」にあわせての企画となります。

バトラー参加の方は和の装い(ワンポイントOK)がドレスコードです。
観戦のみなら和装でもOK。

というわけで参加者募集中!お待ちしています!

詳細は下記へどうぞ

osaragijiro-museum.jp

また終了後に元町・中華街にて懇親会を予定しております。
強制ではありませんので、ご検討いただけると嬉しいです。

ではでは!

今月読んだ本・見た映画【2024年1月編】

遅くなりましたが1月の話です。

[2/13追記:誤字脱字を修正しました]

ビニがさ新年会

1/7に「帰ってきた!ビニがさ新年会」なるイベントに参加してきました。

詳細はこちらの記事でどうぞ。

numagasablog.com

いや当日の主役であり喋り手なのに、イベントで起きたことを正確に書き出せるぬまがささんがとっても凄いんだけど。
イベントの内容はほぼここに書かれている通り。

他の参加者の人たちともっと話してみたかったのですが、先約があるのでどうしてもできず...惜しいことをしました...。

とにかく、月を跨いでも見たい映画がさらに増えています。

書籍編

1月は正月休みもあり、わりかし映画に注力したので書籍は少なめです。

世界でいちばん透きとおった物語

昨年のツアービブリオバトル(テーマ:「初」)で知って以降気になっていた1冊。

いやこれね、絶対紙版で買って。そして読んで。

私はかなり後半になるまでこの本の仕掛けに気が付かず...笑。
気がついた時には顔を覆いました。目の付け所が素晴らしいミステリです。

僕の伴侶 猫と大佛次郎物語1・2巻

用事で横浜の大佛次郎記念館に行く事があり、その場で購入した本。

時代が違えど「猫飼いあるある」も多く詰め込まれ、わかりやすく読める漫画なので、大佛次郎の入門編として最適です。

osaragijiro-museum.jp記念館サイトもリニューアルしたのでぜひどうぞ。

『落ちぶれゼウスと奴隷の子』3巻

今回は"軍神"アレスとハーデスの関係が主軸にありましたが、読んでいて辛くなるところもあれど、それでも爽やかな後味にまとめているところはすごいと思います。

ただ、この終わり方は続きが気になりすぎる...続刊...続きを...。

ちなみに、あとがきの解説漫画でアレスが「最強希望軍神」と書かれたTシャツ着てるところが好きです。

『ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生』

え、ちょっと何やってんのよAmazon

カバーonカバーというやつである

これを表示しなきゃダメじゃないかー!!!

昨年参加したビブリオバトルで紹介を聞き、気になっていた1冊。

ポテトチップスの歴史を通して、第二次世界大戦後の日本人を見ていこうという観点が意欲的でユニーク。お馴染みの商品の誕生秘話から、よく知られた通説の裏話まで、ぎゅうぎゅうに詰め込まれた情熱はまさにポテチのカロリーのよう(?)です。

さて、実は昨年末にひとりでご飯を食べる状況に置かれた時がありました。

せっかくだからとポテトチップスを買いに出かけてみたところ、商品がありすぎて選ぶのに30分ぐらいかかってしまいました。

普段買う事がないのでお気に入りも特になく、ひとまず売れ筋っぽいのを購入したのですが、迷うほどに多様化した商品の裏にはこんな流れがあったのか…と納得できる一冊でした。

映画編

GHOST WORLD ゴーストワールド

senlisfilms.jp新年で初めて見る映画がこれ、というのもなかなか凄い出だしになりました。

ああこういう映画なのねぇ」と納得できたので良かったんですが、やっぱり自分の中高生時代を思い返すことになり、改めてバカだったなぁと思います。

私もたしかにイニードとレベッカみたいな関係の友達がいたのですが、仲良くしつつも傷つけていたことも沢山あって、とてもじゃないけど「今元気にしてるかな」なんて友達ヅラをして考える資格は私にないと思っています。

あの関係は本当に「友人」と言ってよかったのか。今思えばただ「共依存的」なあり方を続けてふざけていただけじゃないかと思えてしまう。

そもそも私はイニードみたいにいろんな洋服のスタイルを試してみたかった人で、けど買えるお金はないし、何より太っていたから同年代向けの服飾ブランドはサイズがないからハナから諦めて、それでもオシャレになりたかったなぁ、今でも洋服に対して苦手意識が消えない…なんて暗めな話がゾロゾロでてきます。うん、やめようか。

窓ぎわのトットちゃん

tottochan-movie.jp昨年から話題になっていたこともよく存じ上げていましたが、いざ見てみると予想以上に 泣き ました。

「トモエ学園」の様子が10年近く前に見学に行ったマレーシアの福祉施設の雰囲気にそっくりで、制度や世間の目で夢も良心もゴリゴリに削られがちだった時代の中でよくぞ創り上げてくださいました...と、一旦はこのような感想になるでしょうか。

いつ、どんな時も、肝の座った大人がいるからこそ成り立つところはあるよなぁと思うなどしています。

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

www.kitaro-tanjo.comいやこんな濃厚な「昭和」を令和にぶつけられることある????

直前に見たのが「窓際のトットちゃん」だったからというのもあるとは思うんですが、前述同様に映画好きの間で話題沸騰...を横目に見つつ遅れてやっと鑑賞。

単なるアニメ鬼太郎の映画化ではなく、水木しげる先生自身の人生を織り込んだ、サスペンスホラーでバディもの、という見事なバランスのもとに成り立っていると思います。

そもそも劇中で出てくる「血液銀行」自体があまり一般的に知られていないものだと思います。ゴア描写も短時間ではあるものの盛り込まれているために非常に内容が大人向けで、小学生以下の子供には見て欲しくないと思うほど...。

一応、日本赤十字の解説ページを貼っておきますね。

www.jrc.or.jpペルリンプスと秘密の森

child-film.com森の中、それぞれ国を救うための使命を持ったエージェント同士が力を合わせ「ペルリンプス」を見つけ出す旅に出ますが...。

対立する2人が徐々に力を合わせて難題に立ち向かう...というストーリーそのものは王道ですが、2人の会話の意味が最後で結びつく展開が圧巻でした。

大人にこそ届いてほしい鮮やかな寓話。

千年女優(4Kリバイバル上映)

www.famitsu.comこちらはリバイバル上映で拝見。

おそらくこれまではDVDでしか見たことがなかったのかな、劇場の音質で聴けることが圧巻でした。観終わってからはひたすら「すごい...」しか言わない時間が2時間ぐらい続きました。

無駄なカットが一つもない、1人の女性の人生が日本の映画史そのものと重なっている、濃厚な映画体験にも関わらず上映時間が80分台、繰り返すこと、現実と夢の境界を越えること...これまた話せるポイントが多数あります...。

あと、エンディング使用曲「ロタティオン」が配信でも聴けなさそうで悲しいです...。

宝くじの不時着

takarakujimovie.comこれは内容を聞いた時から楽しみだった一本。

まだの方はとりあえず予告編をご覧ください。

youtu.be

現実はこんなものじゃないだろうし、パンフレットにも「(軍事境界線での)小競り合い自体は何回も起きている」と書かれていて背筋が寒くはなったのですが、それでも笑い飛ばす時間があったっていいんじゃないでしょうか。

ちなみに母親が2回見に行っているので、家族に紹介して損はなかったなぁと思っています。

【記録】Bibliobattle of the Year2023大賞・優秀賞授賞式&新年ビブリオバトル

Bibliobattle of the Year2023大賞・優秀賞授賞式&新年ビブリオバトルに参加してきました。

Bibliobattle of the Year2023大賞・優秀賞授賞式

https://bibliobattle-award2023.mystrikingly.com/

今回で大賞を受賞された阪大ビブリオバトルの部長である大西さんの受賞スピーチが印象的でした。

大体思い出せる範囲で書き出すと...

ビブリオバトルは聴くことが大事なゲームだと思うんです。
みんな喋りが上手な人が勝つんでしょ? と思いがちなんですが、実際のところはそうでもなかったりします。
参加していると、バトラーとして本を紹介する時間よりも、他のバトラーの本の紹介を聞いている時間の方が長いですよね? ということは、聴いている時間をどう過ごすか、ということの方が大事ではないかと思うんです。
最後に投票するから、話を聞きながら考えると思うんですが、それって人の話を聞きながら自分について考えることでもあるんです。『この人が面白いと言っていること、自分もそう思うな』とか『いや自分はそうは思わないな』とか、考えると思うんです。それって、他人の価値観を通して、照らし合わせて自分のことを見てることにもなるじゃないですか。
阪大ビブリオでやる時も、『初めてで緊張する〜』という子には『大丈夫、ここにいる人たちはみーんな話を聞くことのプロやから、安心して話をしてみてください』と伝えるようにしています。」

以上の話は正確なメモがない状態で書き出したものなので細かい点は違うと思うんですがビブリオバトルは聴くことが大事、というのは強調してし足りないということはない話だと思うので、一旦はここに書き出しました。

実際私は質問する段になって何も思い浮かばなくて「あー自分この人の話ちゃんと聴けてなかったのでは...」と罪悪感に襲われることが多々あります...。

新年ビブリオバトル

以下は新年ビブリオバトルの本のまとめです。
私は予選のブロックBに割り振られたので、AとCブロックの本は公式アカウントの記録から転記しています。

★がついているものがチャンプ本です。

予選

Aブロック

万城目学『万感のおもい』
森村進『幸福とは何か──思考実験で学ぶ倫理学入門』
太田出版編『本当に面白いボードゲームの世界』

 

ブロックB

毛塚了一郎『音盤紀行』←私が紹介しました

横浜のタワレコにCDを買いに行った時、レコード売り場に平積みされていたことがきっかけで手に取った漫画。いやここで手にとらんと漫画好きが廃るんでわ!? という衝動買いに近かったかなぁ。

5つの短編が入っているんですが、目次や奥付けのデザインがレコードっぽい感じになっていてその細かいとこまでたまらんのですよ。

森見登美彦シャーロック・ホームズの凱旋』

紹介を聞きながらひたすら爆笑していた本。

森見登美彦版:シャーロック・ホームズともいうべき内容で、世にいう"天才名探偵"はどこへやら。何を見ても事件解決の糸口になる閃きが浮かんでこない、全くのスランプに陥ってしまった探偵:ホームズ(京都住まい)と、これまた研究でスランプに陥ってしまった"永遠のライバル"のモリアーティ教授(京大勤務)が、同じアパートに住んだことから仲良い友達になって...というだけでもう十分におもろいっす。

ロアルド・ダール『飛行士たちの話(新訳版)』

チャーリーとチョコレート工場』の作者であり、子供向けの面白い読み物を書いているイメージが強いロアルド・ダールですが、実はデビュー作は大人向けのものだったそうです。

彼は第2次世界大戦中にイギリス空軍のパイロットとして働いており、その時の経験をもとに執筆したお話が収録されています。ただ、日記なのかルポルタージュなのか、という点はわざと曖昧にされており、ふとした瞬間から空想・妄想(?)の世界に流れていく書きっぷりの上手さが絶妙なのだとお話しいただきました。

出版当時は飛行士が珍しい職業だったこともあり「パイロットの視点で描かれた内容」という点が魅力となって大ヒットになったそう。ちなみに、宮崎駿監督の「紅の豚」をはじめとして数々のクリエイターにも影響を与えたのだとか。

この度新訳版が出たということで、気になりすぎて買っちゃいました。

ブロックC

鈴木祐『天才性が見つかる 才能の地図』
J・P・トゥーサン『浴室』
マット・フラクション&エドブルベイカーイモータル・アイアンフィスト』

勝戦

こちらも取り急ぎ本だけメモしておきます。

ロアルド・ダール『飛行士たちの話(新訳版)』
万城目学『万感のおもい』
土井善晴『一汁一菜でよいという提案』

今回もいい本のことが聞けました。

今年もたくさん面白い本と出会えますように。

今月読んだ本・みた映画【2023年12月編】

年明けにこんな記事を書いてどうする?という気持ちは確かにある。

昨年1月からこの投稿を続けたことで、知人・友人から「みてるよー」と声をかけてもらうことが増えた。非常に嬉しい。

一応2023年最後の月に関しての話なので、しっかり書いていくことにする。

書籍編

『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケア始めました。』

この本について書き出したらだいぶ長くなってしまったので、別の記事として一旦まとめることにした。よければこちらを見てみてほしい。

nekoko-hanaoka.hatenablog.com

『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』

こちらも知ったきっかけは忘れてしまったのだけど「Jリーガーが息子を連れて単身赴任したことが本になっている」と聞いて興味を持ったのは確かである。

チーム移籍を機に横浜から大阪への単身赴任を決意したところ、三男が「俺も行きたい」と言い出したので連れていくことにした、というのが経緯。

キモなのは、これが単なる一人暮らしではなく「子供と一対一で暮らす」というところ。家事だけでなく、宿題から体調管理まで含めた「子供のケア」にも目を向けなければいけなくなっている。

どうしよう、という迷いとか、トライして違ったらこうしようとか、最低限こうしようというルールはしっかり決めた上でやることとか。大久保選手なりの工夫とか、息子さんとの約束なんかは微笑ましいところもある。無理して完璧目指しても続かないしね。

デビュー前の話も書かれていて、プロサッカー選手って選手になる前からめちゃくちゃ大変なんだなぁと思ったり…。

正直「家事手伝わんし、俺」という言い方に腹も立ちかけたのだが、そんな私でも家族が家事でヒイヒイ言っている時に無視ってる時あるよなぁ??? と思うこともあるので、その矢は自分に帰ってくるのだ絶対。

映画編

SPY×FAMILY Code:White

まさか家族で見にいくことになるとはね...。

spy-family.net映画としてはちょっと盛り込みすぎかなぁ...というところだけど、テンポ良しな原作とアニメをそのまま映画に落とし込んでいて楽しく見れた。

ダンジョンズ&ドラゴンズアウトローたちの誇り〜

年の瀬、これだけは観ておこう〜と思ったものを配信で拝見。

「セクシーパラディン」という単語がトレンドに上がっているのをみて???となっていたのだが、本作でようやくその謎が解けた。

いやまじで説明なしで見ても「この人だーーー!!!」と一発でわかる。うん。

王道のファンタジーでもあり、娘の信頼を取り戻す父親の話でもあり、人生にうんざりしながらも「善であろうとする」人々の物語でもあり...とさまざまな角度から楽しめる一作。

私は元になったTRPGを全く知らないので、補足も含めてこちらのまとめも読んでみてほしい。

togetter.com

今回はここまで!

スキンケアisNOT「女々しい」/伊藤聡『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。』

本当は昨年12月に読んだ本として入れるつもりが、予想外に長くなってしまったので別記事としてまとめることにした。

伊藤聡『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。』

面白かった!

もともとはラジオ「アフター6ジャンクション」で著者がスキンケアについて話したことがきっかけで、それを深掘りして書かれたのが本書だという。

↑関連すると思われるツイートを発見。念の為記載しておく。

https://x.com/after6junction/status/1478341829561298945?s=20

https://x.com/after6junction/status/1478341829561298945?s=20

当該のツイートが見つけられないのだけど、「国際男性デー」にちなんで「男らしさとは何か?」というテーマで本を紹介されていた方がいて、それを見て面白そうだと思って手に取った。

forbesjapan.comそれまで全くスキンケアなぞ興味がなかった著者が、コロナ禍を経て久々に出社をした時にふと電車内で顔をあげ、自分の顔の老け具合に愕然とする… 何かしなくては、と思ってスキンケアに挑戦するが、想像を絶する未知と楽しさが広がっていた…

私は化粧をそれなりにするけれど、化粧品にそれほど詳しくはない。
けれど、メンズにおすすめな化粧品メーカーの紹介はどれも正確で読んでいてびっくりした(ロート製薬の製品は私も日頃お世話になっている)。

「男性ならでは」とあえていうけれど、もともとカルチャー系のライターとして活動されていた方で、新しいものに出会うと好奇心からどんどん深掘りし、自分の知っている知識の枠組みではこれに当てはまるかな? と考えて推測していくところが非常に面白い。

それゆえ、普段は想像もしないような角度からのコメントがとても秀逸だ。

スキンケア製品とギターエフェクターのビジネスモデルはほぼ同一(p.54)

化粧品をこんな視点で見たことないわ!笑

なお、p.57のイラスト図解も的を得ていて傑作である。

さらに、スキンケアから始まった自身のケアは、体全体、ひいては健康そのものへと関心が向かっていく

多くの男性にとって、体の不調があった際にまず取る手段は『放っておく』である。何もしないでおくのだ。ひげを剃った後、肌がひりひりする。放っておこう。歩くと足の裏が刺すように痛むことがある。放っておこう。立ちくらみする回数が妙に多くなった。放っておこう。どれもきっと大したことはないはずだし、すぐ病院に行くような神経質な人間にはなりたくない。それになにより、わざわざ病院に行くなんて面倒くさいじゃないか。『様子を見る』といえば聞こえはいいが、結局は何もしない。体の不調などという瑣末な問題は、意識の外へ押しやって考えないようにするのだ。(pp.104-105)

引用した前後については読めば読むほど(申し訳ないのだが)自分の父親の姿が目に浮かぶのだ。ゴルフが好きなのに普段からクラブを振ったりすることは全くせず、休日には「YouTubeでゴルフ番組を見ること」をトレーニングと呼んでいる。ゴルフ場からの帰りには「どうしてうまくいかないんだろう...」と愚痴ってみせる。

いやまずは筋トレしろよ。

筋トレする筋肉がないならこの動画やってみろ!!!効くから!!!

youtu.be...とでも言いたくなるのだが、言えば言うほどヘソを曲げるので絶対に言ってやらないことにしている。

 

話がそれちゃったけど、とにかく、体のケアを男性は怠りがち。というのは体感としても少しわかるような気がするのだ。

この一冊を通して、日頃から自分の体をケアをしておくことは悪いことでも、女々しいことでもないのだけど、案外男性ってそれに縛られてません? というお話になっている。

一方で、スキンケア(そして化粧)することに壁を感じることもある、という話にも言及している。

この辺りは劇団雌猫『だから私はメイクする』あたりを見てもらうと実感しやすいと思う。

上記をコミカライズしたのは下記2冊。

パワフルであっけらかんとした各エピソードが、シバタヒカリさんの綺麗な絵でより読みやすくキラキラとしていておすすめである。

正直、「キレイになってどうするのだ」と聞かれても、ただ「やっていて気分がいいから」と答えるしかないのではないか。理由がなくても自分のことをケアしていいんじゃないだろうか。