以下、伊勢崎賢治さんの8/21のライブを視聴した記録である。
心配になる
8月15日以来、アフガニスタンのことが心配で、それでも何ができるかわからない、どうしようと迷っていて、Twitterで見かけたアフガンサフランさんでお茶を買うなどしていた。
アフガニスタンは遠い。自分にとっては知り合いや友達がいるわけでもない。
ただ、学部生の時からペシャワール会の会報をいただき続けていたこと、米軍基地のことを調べていると、どうしても軍事面での日本の協力が目に入ること、院生の時にジャーナリスト:白川徹さんのお話を聴けたことなどがない混ぜになって、他人事にしてはいけないと思っている。
情報収集と連想
さて、何もわからない時は情報収集だ!と思った矢先、映画「戦車闘争」に出演されていた伊勢崎賢治さんのことを思い出した。国際紛争の分野なら現場を知っている方のはずなので何かつぶやいているかもしれない(すいませんこれぐらいのアバウトな認識です)。
ご本人のTwitterから、直近のトークライブの告知を発見。配信後も3日間はアーカイブで視聴可能だという。「タリバンについても話します」とあるので早速申し込んだ。
視聴
初めて視聴したが、JAZZを演奏しつつ、間でトークをするのが伊勢崎さんのスタイルらしい。ただ、トークを聴いていると本当に悲しくなってしまった。
元々は米国(トランプ政権)が今年5月1日までに完全撤退をすると合意を結んでいたにもかかわらず、バイデン政権が「同時多発テロから20年の節目となる今年9月11日までに完全撤退する」と、タリバンに事前の相談なく発表したことが原因なのだそう。
参考:アフガニスタンの米軍撤退「和平合意に違反」タリバンが非難
「もしかすると下の兵士を抑えられなかったのかもしれない」とも話されていました。
最優先事項
急速に国内が混乱する中、今はその中で「命が危ない人」をどう助けるかで動いている。所謂「命のビザ」の発行だ。
アフガニスタンは世界で最も国際援助を受けている国であり、現地に入っている米軍、NATO、その他協力団体の職員以外に、活動に関わる現地の人々も大勢いる。
米軍やNATOが撤退しつつある今、協力していたアフガニスタンの人の命が危ない。特に通訳を仕事にしている方は、仕事が見つかりにくい国内の中で定量的な収入があるため、羽振りが良いので普段から目立っており顔が割れている、そして「お前はどっちの味方なんだ」と責められやすく、手元には脅迫状が届き、本人だけではなく家族ごと命が狙われている。
伊勢崎さんも「向こうには自分が一緒に仕事をした通訳もたくさんいます。そのうちの2名が殺されました」と話されていた。
とにかく、家族と共に安全な場所に移動してもらう必要がある。移動後、本人の意思を聞いて、希望する国に移住する事ができるように動くことで、命を守るべきである。
伊勢崎さんに、米軍の将軍が泣いて電話をかけてくるそうです。「本来は誰も取り残さないでおくべきなのに、協力してくれた人たちを置いて行く結果となってしまった」と。
日本でできるのは、応援と取材!
しかし日本は難民・移民に対しては動きが遅い。
これに関して、自分はこの文章が結びついた。
当事者は苦しいが、本人たちの力だけで変えることは難しい。
しかし、苦しい環境を変える力はその周りにいる人々が持っている。
具体的にいうと選挙権である、と自分が勇気づけられたものだ。
伊勢崎さんは東京外語大学にお勤めで、アフガニスタンからの留学生も見ていたことがあるそう。こうした、かつて日本に留学した経験がある学生の安否確認や、日本で教鞭を取るために取得できる「教授ビザ」の発行を駆使して緊急の受け入れを進めている。
日本政府の動き出し自体は遅かったものの、ロビー活動は衆議院議員の山尾志桜里さん、中谷元さんが協力してくださっているとのこと。また、入管の心あるスタッフや、外務省中東第二課の協力もあるそう。
「入管は最近評判が悪いですけれども、心あるスタッフがいるんです。」
ただ、学生の受け入れは伊勢崎さんの勤め先である東京外語大学だけではキャパが足りず、もっと他の大学に受け入れ先を広げてほしいとも考えているとのこと。
党の人権外交研究会でアフガン人道支援について政府と連携。今回のポイントは「邦人等輸送」の枠組みで現地の人々を救出する初めての試みという点。自衛隊機を飛ばし現地にジャパンデスクを設置すべきという要請もクリアされ、必死に取り組んでいる自衛隊をはじめ関係者の皆さんに心から敬意を払います pic.twitter.com/Le96Mcu2PY
— 山尾志桜里 (@ShioriYamao) 2021年8月25日
↑本件に関しては山尾志桜里さんのTwitterを見ることにしてます
伊勢崎さんの言葉で一番切実だったのは「みなさん、この活動を応援してください。メディアは教授ビザの発行等の活動に関してぜひ僕に取材をしに来てほしい。そして世論の後押しが欲しい。」という所。
それにしてはアーカイブの再生回数やコメントが少ないぞ...?
と、どうしても疑問に思ったので、要点をかいつまんでブログに書いた次第である。
正直、ここまで書いた自分は伊勢崎さんの話をうまくまとめている自信はない。
ただ、この分野の記事を書いている記者さんならもっとうまく伝えられると思う。
あと「日本は米国に協力した国である」そのことを、タリバンは覚えている。
日本側にその認識がないことが問題。
今後日本ができることがあるとすれば、絶対に武力介入をしないこと。
もっと細かくいうと、武力介入しない政治家を選ぶ必要がある、ということかな。
自分はこれが緊急性の高い話で、日本が少しでも協力できるなら、やるべきだと思っている。
【※注意※】
私がここまで書いた内容はライブの聞き書きで、取り急ぎ専門外の人間が詰めるだけ詰めたのであやふやな点も多いものです。
国内外の情勢はすぐに変わりますし、何より伊勢崎さんのTwitterやその他専門家のエントリや著作を読まれた方がもっと状況が良くわかると思います。