【ルポ】7/9(土)、時事ビブTVでビブリオバトルをしてきました

7月9日(土)、時事ビブTVにてビブリオバトルをしてきました。

↓当日の様子

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時事ビブTVとは?

簡単にいうと、時事問題を題材にビブリオバトルをしてみよう!という企画です。
企画者はデモクラTV・図書館と地域をむすぶ協議会(とんち協)・本くらう堂の3団体が共同で提供するオンライン番組です。

当日のイベント告知看板

今回は第2回。私は本くらう堂の市川さんにお誘いいただいて参加いたしました。

前回はこちら

開始前

中目黒から徒歩5分のスタジオ。中に入るとカメラ・マイク・テレビ画面にケーブルがどっさり。

放送関係に詳しいわけではないのですが「プロフェッショナルな機材で撮られるのか...」と緊張が高まります。
なんとなくですが、NHKラジオのビブリオバトルに出た時の感覚と似ている感じがしました。

フリートーク

予定から15分ほど遅れて開始。まずはホスト2名によるフリートーク
安倍元首相が奈良県で襲撃され死亡した件について言及し、各紙面を広げながらニュースの取り上げ方を比べていきます。

今回のテーマ(お題動画)

今回のテーマは"神宮外苑「再開発」を考える"です。

事前に共有いただいたお題動画は本編の中でも流れますが、単品でも見ることができます。

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ビブリオバトル

公式ルール説明の後にビブリオバトルが始まりました。

今回の紹介本はこちら!

紹介本一覧
こうして黒板に書いていくのもオシャレでいいですね

1. イーデス・ハンソン『花の木登り協会』(1976, 講談社

2. 『涙のチカラ 涙は7マイクロリットルの海』(2008, 技術評論社

★3. 『東京「暗渠」散歩 失われた川を歩く』(2021, 実業之日本社

4. ヨアヒム・ラートカウ『自然と権力 環境の世界史』(2012, みすず書房)※花岡の紹介本

「外苑前の再開発」というテーマに対し、直球というより暗に言及する形の本が多かった印象があります。

『花の木登り協会』

木登りが好きな大人が日本各地の支部に分かれて活動する様子をコメディタッチで描いた小説。樹を見たら切りにかかるのではなく、登って楽しむ余裕がないとダメなんじゃないの?というアプローチでした。

『涙のチカラ〜』

こちらを紹介されていた坂部さんは、かつて神宮球場で売り子のバイトをされていたんだとか。当時の掛け声を再現して下さった瞬間、現場を見た体験には敵わないと思いました。

『東京「暗渠」散歩』

こちらは宮崎県椎葉村図書館「ぶん文Bun」の司書である小宮山さんによるご紹介。

katerie.jp「暗渠(あんきょ)」とは、地下に設けられていて外からは見えない水の通り道のこと。東京は多くの水路が走る地域ですが、現在では多くが地下に埋められています。これ1冊でどこが暗渠なのか、元は何があったのかを確認しながら東京観光ができるそう。ちなみに、司書さんが図書館のカウンターから紹介する、という光景は初めて見ました。

『自然と権力』

花岡の紹介本です。ドイツ出身の環境史家による1冊。映像を見返すと「もっと上手く喋れたやろ...」と思います。自分はまだ読み込みが浅いので、バトルでもこのブログでもあまり良いことは言えません。深く知りたい方は是非ともお手に取ってみてください。
2012年に日本語版が出版された本書は、旧石器時代からフクシマの原発事故まであらゆる時代と場所の環境問題を取り上げ、自然と人間がどのように関係を持ってきたか、自然を時の権力がどのように扱ってきたのかを広く議論していきます。この本を知った当時、世界レベルの議論ができるってこういうことか...と本を手に気が遠くなる思いがしたものです。

印象的だったのは、終章で強調されていた「環境問題を解決するより良い方法」とは「立場による政治ではなく、議論による政治」であると締めくくられていたところです。
この部分を読んで、私は「自分は〇〇派だから」と立場にとらわれず、事実を目の前に真摯に議論を重ね、自分も相手も意見が変わってゆくことを認め合う政治が大事である、と考えています。

非常に分厚いため読み切るのは大変だと思うのですが、時間がない方は日本語版のみの書き下ろしである、第3章 「水、森林、権力」の第5節「日本という選択肢」と「日本語版へのあとがき フクシマの事後の後に考えたこと、そしていくつかの個人的な告白」を読むだけでも良いと思います。

もっと深く!おすすめ関連本

びっくりしたのはこのとき。

ビブリオバトルで紹介された本だけではなく、事前リサーチによるおすすめ本33冊を怒涛の紹介!

「気になるんで写真撮らせてください!」と声をかけて撮りまくりました。

懇親会

ビブリオバトル後の懇親会」、やはり一番盛り上がりますね。
自分にとっては5月に大佛次郎記念館で開催した時以来でした。

興味深かったのは『涙のチカラ』を紹介された方による時間のお話。
神宮球場での売り子のバイトは、3つの時間を考えることがあったそう。
1. 野球(ゲーム)そのものの進み具合
2. 手元にあるアイスが溶けていく時間
3. 陽が傾き、球場のどこに日影ができて休みやすくなるかを感じる時
重い機材や商品を担ぎつつ、これらを計算しながら動かねばならなかった...というなかなかリアルなお話でした。

あと、すご〜く気になったのがこちらの本。

法律関連の書籍を専門で扱う出版社が、オタクの推し活で守るべきルールやマナーについて徹底解説!こちらバトル参加後に購入し、ちまちま読み始めていますが分かりやすくて面白いです!

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早めに離脱することになりましたが、聴いてくださった皆さんとお話しできてとても楽しかったです。