Bibliobattle of the Year 2022 大賞・優秀賞授賞式、および新年ビブリオバトルについて

新年初のビブリオバトルは普及委員会主催の新年ビブリオバトルでした。

当日は用事のため、外出先のネットカフェから視聴しました。

 

Bibliobattle of the Year 2022 大賞・優秀賞授賞式

対象は「コバショでビブリオ」さんに決定!おめでとうございます。

bibliobattle-award2022.mystrikingly.com尼崎市で創業70年を迎える小林書店さんで開催しているビブリオバトルが見事大賞を受賞です。

新年ビブリオバトル

Zoomでブレイクアウトルームを作り、参加者をA・B・Cの3グループに分けて1ゲーム開催後、各チャンプ本を交えて決勝戦にのぞむトーナメント形式で開催されました。

私はグループAに参加し、その後で決勝戦を視聴しました。
その様子をお伝えします。
★がチャンプ本です。

グループAの紹介本

ジェイムズ・ケストレル真珠湾の冬』(2022, 早川書房
★増山実『ジュリーの世界』(2021, ポプラ社
鷲田清一『「聴く」ことの力 :臨床哲学試論』(2015, 筑摩書房

1冊目は真珠湾攻撃直前のハワイを舞台に、アメリカ陸軍上がりの刑事が活躍するミステリ。白人男性とアジア系女性が惨殺された事件を追ううちに東京へと流れつきますが...。700ページ近くある大作ですが、一気に読めるそうです。
2冊目の題名にある「ジュリー」とは、沢田研二のことではなく、1970〜80年代に京都・河原町に実在した浮浪者のことだそう。京都民なら誰でも知っていた人であるものの、素性は知られていなかったそう。日本中が活気に沸いた時期に、ひっそり排除されていった人々のことを思う小説でもあります。
3冊目は大阪大学総長も務めた哲学者である鷲田清一の著作。そんな鷲田先生でも、哲学については「もどかしい・ままならない」と感じることもあるのだそう。
なんでも「哲学は、しゃべりすぎていた」そうで、答えを求め、介護や心理学・精神医学の現場と繋がって考えてゆきます。

勝戦の紹介本

タナカカツキ『サ道〜マンガで読むサウナ道〜』(2022, 講談社
★増山実『ジュリーの世界』(2021, ポプラ社
井上雄彦バガボンド』(1999, 講談社

1冊目はビブリオヒーローこと益井さんのご紹介で、サウナの入り方指南漫画(?)。コップのフチ子さん」の生みの親であるタナカカツキさんのマンガです。これのおかげでサウナが楽しくなったとか。
なんでも、カンカンに熱くなるまで入って、水風呂にキッチリ入ったあと、露天風呂の椅子(ベンチ)に座る。これが全く寒くない。全身びりびりっとする感覚がいわゆる「サウナで整う」というヤツなんだとか。ほんとか?
2冊目はグループAのチャンプ本『ジュリーの世界』。
3冊目は井上雄彦バガボンド』。お手元に13巻を用意してのご紹介。
吉川英治の小説が原作。主人公の宮本武蔵は「強さ」を強調されがちだけど、井上先生は弱さの先にある強さを描くところがとても魅力的。天才:宮本武蔵の幼馴染のマタハチが素晴らしい。どうしようもないヤツだけど、平凡な自分に苛立つ気持ちもすごくわかる。

聴きながら、自分もやりたかったなぁとしみじみ思います。
次は是非とも。