ホラーは時代と人を繋げる/ゲーム「リトルナイトメア2」と映画「返校」

もうずいぶん前になりますが、映画「返校 言葉が消えた日」観てきました。
題材で「重そう...」と思うかもしれませんが、ホラーモチーフの使い方も映画ならではの演出も素晴らしく、切ない味と希望が示されるラストが沁みました。

難しいかもしれませんが、音が重要な作品でもあるので、できればぜひ劇場で。

henko-movie.com

 

苦手だったはず...なんです

そもそも私はホラー作品が苦手でして、何かを「面白いよ〜」と勧められても苦笑いして「別にぃ〜...」ってやり過ごすタイプです。
例えば、ビブリオバトルで怖い本について聞いたことは何度もあり「面白そう!読みたい!」と思って投票したこともあるんですが、実際に手に取ることはなかなかありませんでした。

すごいぞ! 名越先生の「リトルナイトメア2」実況解説

そんな状態が変わり、「返校」の予告編を観てワクワクするようになっていました。
きっかけは精神科医名越康文さんがYoutubeチャンネルで公開している「リトルナイトメア2」の実況解説動画の一群を見たことです。

www.youtube.com↑面白いのでぜひ。いきなり水木しげるの話から始めて開始5分程度でゲームの本質を突く先生がすごい。

名越先生は#2の動画の後半で『20世紀は完全にクラシックになってしまったんだね』と話されています。軽くまとめるとこんな感じ。

  • 21世紀を生きる人が、20世紀を生きてきた人間が蓄えた文化・アイテムに触れることで、過去の空気や雰囲気を獲得し、これから先のことを見ることができる
  • このゲームは1960年代以降の人間の生活空間がどういうもので、そこで自分たちが何を怖いと思い、何に暖かさを感じるのか、何にトラウマをもったのかを、ゲームプレイを通して繰り返し体験することで自分のものに昇華できるのではないか
  • このゲームは恐怖だけど、描かれているノスタルジーの世界を通して、20世紀的な共同体を経験したことがない人でも文化的な遺伝子の橋渡しを行える

※上記は私による意訳なので、気になる方はぜひ動画で

私は名越先生の解説を聴き、「怖い」と言う感情が思っていた以上に不思議なものであると感じています。正確な論考は何も見ていませんが、自分が何を怖がるのか、どうして怖いのかを考えることで、自分の形というか、自分自身を見つめる力があるのではないか...と仮説を立てています。

映画 返校 言葉が消えた日

さて映画の話に戻りましょう。

原作は2017年1月にリリースされたホラーゲーム(※Nintendo Switch, STEAMで購入可能)です。「名作」と謳われ話題になっていることは知っていたものの、プレイしたことはなく、私がお話に触れるのはこの度の映画が初めてです。

あらすじ

1960年代、軍事政権下で戒厳令が敷かれ、思想の自由がなかった時代の台湾が舞台。
自由を讃える、あるいは植民地主義を批判する内容の書籍が徹底的に禁じられ、違反した人々には死刑さえも実行された時代。
高校生のファン・レイシンは、教室でのうたた寝からふと目を覚ますと、昼間だったはずの外は夜になり、机も椅子も埃だらけで校舎が荒れ果てていることに気づきます。
蝋燭を片手に外に出た彼女は後輩のウェイ・ジョンティンと出会い、一度校舎から出ようとしますが、嵐の影響で濁流ができ、道が塞がれ帰宅は絶望的だとわかります。
戻った校内には「忌中*1」や「国家の転覆を図る地下組織が見つかった」という内容の紙が貼られ、ファンとウェイはさらに悪夢のような光景を見ることになります...

上質なホラー!

見た感想の一番大きいものは「これは上質で素晴らしい」というものでした。

元々のゲームがそのように作られていると思うのですが、単に驚かすためのホラーではなく、書籍・鏡・人形に至るまで細かいモチーフの意味づけの一つ一つがグッと来るものでした。

例えば鏡なら普通は「姿そのもの」を映すものですが、知らないものが映り込む、あるいは知っているもの(自分の顔とか)が映らない、そういった演出が怖いわけです。
登場する高校生の一人が布袋劇人形*2で遊ぶのが好きなんですが、それが心情を解き明かすための重要なアイテムになっている。

ちなみに私は東離劍遊記を見ていたおかげかすぐに「布袋劇だ!」と気がついてテンションが上がりました。いいのか?

そして辛かった

映画として、エンターテインメントとして自分はこの映画を見ているけれど、ここで描かれている事が実際の体験だった人たちがいる。それを思うと「単純に楽しんでいいのか?」とも思うわけです。

パンフを読む限り、60年代の台湾を舞台にした映画としても非常に挑戦的で、扱いにくい題材だからこそ元のインディーゲームという媒体が切り込む事ができ、映画まで広がったのかなと。

映画は悲しみを見つめながら、そっと希望を置いて終わる形ではあります。
終わり方は美しかったけれど、同じ状況はいつ来てもおかしくないのではないか、と思わずにはいられません。

 ちなみにもっと詳しい話はこちら↓

dengekionline.com

 

*1:人が亡くなった時に貼る紙だそうです

*2:台湾の伝統芸能で使われる人形

私も膝パーカッションの末席に/アルテイシア『モヤる言葉 ヤバイ人 自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」』

今日のヘルジャパンを生きる人は自己肯定感爆上げで人生を爆走して欲しい。

 2〜3行に1回の割合で挟まれるオタクネタで軽快に笑いを挟みつつ、現実のモヤモヤをかっ飛ばし「うおおおお」とこちらのハートに火を付ける。そんなアルテイシアさんのコラムを楽しみに読んでいたらこのたび新刊の発売とのこと。

光の速さで予約し、早速読み切ってしまった。

 ちなみに7月11日のイベントに出演されるとか。

時間がない人は巻末の対談「今、知っておきたい『法律の護身術』」の部分だけでも読んでほしいし、現在「パワハラモラハラ・DVで困っている!」という人は法テラスに相談、もしくはお住まいの都道府県を当てはめ、検索エンジンに「〇〇県 DV」と入力して行政のDV相談窓口にアクセスしてほしい。
巻末にも様々な相談窓口の連絡先がまとめられているので、いっそのことこの本を手渡してしまうこともいいのかもしれない。

とにかく、女性差別で困っている状況には効果があることは断言しよう。これまでの人生で経験したことの整理や、これからの人間関係で大事なことについても振り返ることができると思う。

文中でも「自分も加害者だったことがある」と過去を振り返るアルテイシアさんの話があり、「女性だから許される」ことは存在せず「お互いが安心して生活できるために想像力を働かせ、守るべきものは守ろうね」という当たり前のことを読みながら胸に刻む。

私が女性差別を嫌だと思うのは、自分自身が「女性」なので不利益があるだけじゃなく、性暴力を経験したからで、同じ経験をする人が1人でも減るように、そして加害者が適切に罰せられるようになってほしいと思うからだ。

私は10年以上前に、当時付き合っていた「彼氏」から(今でいう)いわゆる「デートDV」に遭い、親の言葉で「二次加害」を受けてメンタルがボロボロになったことがある。(当時は"デートDV"という言葉があることを知らなかったのだ)
被害を受けた当初はカウンセリングに数ヶ月通い、一旦回復したものの数年間は頭の中に霧がかかったような感覚があり、「完全復帰」したのも正直言ってごく最近だと思う。

この件に関してはブログとはいえ、ここに書きたくても書けない嫌なことが山ほどある。

今でも「なぜDVの被害にあったのか?」ということをどうしても考えてしまうのだけど、振り返ると全ての根っこには「自己肯定感が低かったこと」があると思う。

小さい頃から自分のことを「ブサイク」と思い込んで、太っていたことを気にしていたため、自分を可愛いと思うことが少なかった。
「彼氏」という存在は遠いキラキラしたもので、自分にできるような存在とは思えなかった。付き合い始めた当初はやっぱり嬉しくて「デブでブスな私を認めてくれる」と思っていたけど、次第に実際の相手が見ているのは自分のからだ、それもおっぱいとヴァルヴァ(外性器)しか見ていないことがわかり始めた。これに気がつくともう気持ち悪くてしょうがない。

 

 なぜ「ヴァギナ」じゃなくて「ヴァルヴァ」なのかはこちらの本↑を参照。
私もまだ読み途中ですが面白いです。

いやまじで「相手の言葉じゃなくて行動を見よう」というアルテイシアさんの言葉は金言として額に入れて飾りたい、いや本文の通り足の裏にタトゥーで刻んでおこうかと思うぐらいだけど、行動が全く言葉と釣り合っていない人だったなと。「好きだよ」と口で言っていても結局ヤリたいだけじゃん、っていうのが丸見えだったんだよね。相手を人間として大切にしようって発想が根本からなかったし。

腹が立つのは「それおかしいよね」と相手に言っても全く悪びれていなかったこと。

恋愛で失敗する経験はいくらでもあると思うけど、人間関係の構築そのものに失敗しているところを全く認めていなかったので、まぁ一生わからないままなんだろうな。

こんな経験があるので、できれば同じことを繰り返してほしくない。

理不尽に自尊心を削られる経験を減らし、怒るべき時に怒れば、ちょっとはマシになるんじゃないか。

どうか自分みたいな、会うたびに本心が言えなくてなんとなく傷つくのが当たり前なこと、デートのたびに妊娠してるか心配するような関係を「これが恋なんだ」と思い込むような経験は避けてほしい。

人権侵害レベルの傷付け合いは愛じゃないぞ。

心から大切にされていないと感じたらその人からは離れ、元気よくロケットランチャー(プロの鉄槌)をぶち込んでほしい。

4/17 神奈川の基地はどう動いたか 2020-21年春 スライド上映会 / 主催:相模補給廠監視団

4/17、「神奈川の基地はどう動いたか 2020-21年春 スライド上映会 」( 主催:相模補給廠監視団)に参加してきました。
盛りだくさんの内容で抱えきれないため、ちょっと書いておきます。

■上映会について
相模補給廠監視団では、毎年1月に「この1年、神奈川の基地はどう動いたか」をテーマに報告会を行っています。
対象は在日米陸軍相模総合補給廠だけでなく、厚木海軍飛行場横須賀海軍施設などの施設についても報告がありました。
今回はCOVID-19の影響もあり、開催が4月にずれ込んだ形となった、と主催の沢田さんからお話がありました。

以下、聞いた話と資料をもとに、印象に残った点をメモといただいた資料を元にざっくり書いていきます。
2時間に5名の報告が圧縮されていたこと、私自身神奈川県の米軍基地に詳しいわけではないので、聞いても全てを理解できているわけではなく(軍事用語満載...)、内容には細かい間違い等あるかもしれません。ご了承ください。

相模総合補給廠

報告:相模補給廠監視団(沢田政司さん)

まず、神奈川県の米軍基地は国道16号線に沿って存在している。
北は東京の横田基地から、南は横須賀海軍施設まで、在日米軍の中枢が置かれている。
例えば、横田基地から横須賀基地までは直線距離で約60km、これをヘリコプターで移動すれば約20分で移動できる(電車移動の場合は2時間近くかかる距離...)。

相模補給廠は一言で言うなら「巨大な物置」であるが、細かくみていくといくつかの役割がある。

戦時用資材の保管

作戦実行に必要な装備を置いておく役割。これは朝鮮戦争からアフガンでの作戦坑道まで、あらゆる事態に備えての物資・資材の備蓄がある。
(余談だが、朝鮮戦争ベトナム戦争の時期の補給廠は戦車や装甲車の修理工場も兼ねており、敷地には修理を待つ/終えた車両がずらっと並んでいたという)
例えば、給油を行うパイプラインセット、居住空間を提供するフォースプロバイダ(※俗称:ベースキャンプセット)、野戦病院セット等、その場で組み立てて作戦や生活に必要なスペースが作れる大きなセット。
いずれも大きなコンテナに入っているが、ここ数年はコンテナハンドラーという特殊車両で運搬していることが多い。


入れ物作り

上記の戦時用資材は野ざらしにされているわけではない。当然のことながら雨風凌げる保管場所が必要になる。
そのため、補給廠内はしょっちゅう足場が組まれて何らかの工事をしていることがある。特に築30年以上の建物が多いため、ここ数年で建て替え・修繕工事が続いている。報告の中では屋根の張り替えを重点的に行ったとあった。

 廃棄物処理

米軍の陸海空全てからスクラップが集められ、処分もされている。
廃棄物の処分サービスエリアもあり、かつてはアスベストが運び込まれて問題になっていた。
また、返還された共同使用区域は、これまでの監視活動の結果を踏まえると廃棄物の埋め立てを行なった場所である可能性も指摘できる。こうした廃棄物を米軍が適切に処理したかどうかは定かではないため、日本で土地使用前に検査をした時に新たな問題になる可能性もあるそう。
ちなみに現在すでに跡地利用でスポーツレクリエーション施設ができて解放されている。

 訓練基地化

「物資の保管庫」であるはずの補給廠だが、最近はヘリコプターの発着訓練を行っている様子が目撃されている。
航空法規定の300mを下回る高度で飛行するため、騒音がうるさく、さらには基地の外で訓練を行っている場面も度々見受けられる。
この話題については毎日新聞で特集が組まれている

mainichi.jp

キャンプ座間

報告:相模原市議・第一軍団の移駐を歓迎しない会(金子豊貴男さん)

キャンプ座間ではヘリコプターの爆風被害、自衛隊との共同使用、そしてゴルフ場にまつわる疑惑が問題になっている。

ヘリコプターの爆風

飛行訓練が日常的に行われているが、時折基地の敷地外で行われている。
監視のため、24時間で定点観測カメラを設置。夜間も飛行しており、サーチライトが木に当たるのがわかるほど低い高度で飛んでいる。
ひどい時には1時間に59回も騒音被害の記録が残ったこともあるそう。
2019年10月28日には、陸軍ヘリコプターのダウンウォッシュ(吹き下ろしの風)によって、20mほど下にあった住居にて室内の物品が飛散、ガラスが割れるなどの被害が出たことも。実害の訴えについて米軍は「ヘリの爆風によるものという証拠がない」と取り合っていないそう。
また、陸軍のヘリは苦情を踏まえて訓練の飛行コースを変えるなど配慮がみられるものの、厚木基地から飛来する海軍のヘリは全くそれを守る様子がない。

自衛隊との共同使用

キャンプ座間には米軍の中央即応集団司令部が配置されていたが、現在は朝霞に移っている。
その空いた部分に陸上自衛隊が入り、施設を共同で使っている。
ちなみに監視行動の結果、自衛隊員が訓練を行っている場面も確認されている。

ゴルフ場問題

キャンプ座間内には18ホールのゴルフ場があり、元々は基地内で働く人の福利厚生施設として作られたものだそう。
12年近く前からゴルフボールの飛び出しが問題になっており、ひどい時には年間300個ものボールの飛び出しがあり、近隣住民から苦情が出ていた。
これを受け、一旦ネットの修繕が行われたものの、よく見ると隙間だらけのため、2020年でも9件の飛び出しが確認されている。
また、最近は明らかに日本人と見られるプレイヤーが利用している様子が見られる。なんでも「名誉会員」になれば最低額600ドル/年(4/17のレートで約64,800円)ほどでプレイ可能だそう(ちなみに年間3000ドルのコースもあるとか、日本円に換算すると約324,000円...)。
さらにはこの時、ゴルフ場利用税を払っていない可能性があるそうなので問題になっている。
現在のキャンプ座間は全体で2000人ほどの従業員しかおらず、その中でもゴルフを行う方は一握り。これでは経営が難しいので日本人にも開放しているのでは? と話されていた。そもそもの「キャンプ座間の敷地返還」も長年訴え続けているため、今後も要望を続けていく。

厚木基地

報告:厚木基地爆音防止規制同盟相模原支部(山村充夫さん)

こちらの報告は動画をもとに実施。

この1年の動きに限っていえば、空母艦載機やオスプレイの飛来があったとともに、オートローテーション訓練などが行われているそう。
興味深かったのは、ヘリをウォッシュラック(機体洗浄場)で洗浄する様子。水が白い煙のようにもうもうと立っていたので一瞬火事かと思うほど。
(ウォッシュラックについては海上自衛隊下総教育航空群のこちらのツイートがわかりやすいかと)

また、飛行中の機体から目的地に向けて物資を投下するカーゴドロップや、ヘリに物資を直接吊り下げるカーゴスリングといった訓練が行われている様子もあった。

横浜ノースドック

報告:すべての基地にNOを!ファイト神奈川(星野潔さん)

盛りだくさんの報告内容だった横浜ノースドック。
米陸軍の輸送の拠点であるため、船や物資の出入りはかなり頻繁だった様子。

東富士演習場で使われたと思しき155ミリ榴弾砲が剥き出しのまま積まれていく様子、給油タンカーの停泊、音響測定艦弾道ミサイル観測船の出入りなどが報告。

ちなみに北富士演習場では今年3月の射撃訓練中に火災が発生したそうで、ニュースになっている。

www.at-s.com

youtu.beお話によると、米陸軍は兵器や資材を事前に大量に配備するAPS(Army Prepositioned Stock:米陸軍事前集積物資)の拠点を世界に5箇所(APS-1〜5まで)設けており、このうち横浜ノースドック・相模補給廠、韓国の大邱APS-4を形成している。
米軍のこうした備蓄は21世紀に入ってから始まっているそう。

また、ノースドック内に運ばれる物資や行われる訓練については、横浜市の基地対策課ウェブサイトに記載がなかったこともあるそうで、市民が知る機会がないことはおかしいと話があった。

横須賀基地

報告:非核市民宣言運動・ヨコスカ(新倉裕史さん)

原子力空母ロナルド・レーガン

定期修理によって生じた放射性廃棄物の搬出が4月中旬ごろと言われていたそうだが、4月16日現在動きはない。

そもそも日本は原子力空母が入港する際、日本国内の港で修理しないこと、廃棄物を出さないことを条件に許可したというが、実際は港で修理もするし廃棄物も出している。

イージス駆逐艦 ラファエル・ペラルタ

2021年2月4日に配備されたイージス駆逐艦
名前の由来はラファエル・ペラルタ軍曹から。
ラファエル氏は市民権を得るために海兵隊に入隊した人で、2000年に海兵隊新兵訓練所を終了。その後歩兵と狙撃兵の訓練を積み、2004年に偵察隊のリーダーとして「イラクの自由作戦」に派遣される。作戦中、銃撃戦で投げ込まれた爆弾を抱え込んで爆死。周囲への被害を抑えたそう。2012年に海軍長官が彼の栄誉を讃え、駆逐艦に名前を冠すると発表。

「今の米軍がやっていることを象徴するような」という新倉さんのお話に、言葉が見つからない。

またラファエル・ペラルタの航海日誌を見てみると、明らかに中国を意識した動き方をしている。

また、海上自衛隊には米軍の「武器等防護」を行う任務がある。これについては国会の承認を経ずに軍事行動を可能にするものであり、自衛隊の動きが市民に知られることがない点は重大な問題である。 

特に浦郷弾薬庫(後述)に拠出される先制攻撃用の巡航ミサイル・トマホークを自衛隊が防護する形になったことがあり、これは本当に良いことなのか。

浦郷弾薬庫

名前の通り、弾薬や科学兵器等の備蓄をしている浦郷弾薬庫。
敷地周辺には物品の危険度と「ガスマスク着用」を促す警告看板が置かれている。
米国の法律では、こうした弾薬庫の半径550m以内に住宅があってはならないとされている。しかし、浦郷弾薬庫は中心から半径500m以内に500戸以上の住宅が立ち並び、すでに十分な危険性を孕んでいる。

印象的だったのは「そもそも旧日本軍には基地周辺の近隣住民への安全を配慮する発想がない」という話。
浦郷弾薬庫は旧日本軍の設備を米軍が引き継いで使用したものの一つだそうだが、立地を自国の法律に合わせて見直す...とはしなかったのだろうか。

イージス艦とイージス・アショア

イージス・アショアとは、簡単にいうならイージス艦と同じ機能を地上に設置すること。そもそものイージス艦の機能は下記の通り。
・4面固定レーダーで360°の範囲を監視
・100を超える目標の探知・識別・追尾を同時に実施
・最適な迎撃ミサイルの選択をコンピュータが瞬時に処理し
・同時に10目標以上を垂直発射管で攻撃できる
だが、団体で調査したところ、イージス・アショアは年間123日しか動いておらず、これでは年間の2/3は稼働していないことになる。そもそもミサイル防衛をする気があるのか?と疑問に思うような運用がされていると指摘あり。

また、海自が持つ7番目のイージス艦「まや」自衛艦はつの「CEC・共同交戦能力」を搭載。米駆逐艦との共同作戦が行われることへの危惧や、そもそも「共同交戦能力」自体自衛隊が持ってはいけないシステムなのでは。という疑問も湧く。

自衛隊員の海外派遣

聞いていて辛かった話だが、自衛隊員の海外派遣はあらゆる任務の中で最も自殺者が多いそうだ。
理由としては、昨今の海外派遣は目的がはっきりしない任務が多く、そのために休憩時間0の状態を何ヶ月も経験しなければならず、辛いものがあるためだという。
例えば阪神淡路大震災や3.11のような災害救助任務は、危険度の高い過酷な状況下での作業だったにもかかわらず、当初の想定よりも心的外傷後ストレス障害PTSD)の発症数が少なかったそうだ。これは「人命救助」という目的がはっきりしており、実際の活動でも「ありがとう」と言われることがあり、やりがいがあったことが要因として考えられる。
対して海外派遣は、何のために行くのかわからず、責任は現場の人間に押しつけっぱなし、さらに国民の支持も得られない状態が任務中の過酷さに拍車をかけるようだ。「実績が欲しい政府に振り回されているのでは」と自衛官からも声が上がるほど。

最後に

こうした基地の動きがなぜわかるのかというと、報告者の方々がそれぞれ監視活動を行っているからでもあります。日々の活動に改めて敬意を表します。

また、取り急ぎのアウトプットを優先したため、細かい内容は後日補足・修正する可能性があります。ご了承ください。

「国際女性デー」にちなんで、バランスの話と映画「ミスレプリゼンテーション」。

国際女性デーにちなんで、自分の思っていることを一旦書いてみるなど。

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こんにちは。猫子です。

3/8は「国際女性デー」。
ヘテロセクシュアルの男性優位」なこの世界で、女性が自分の夢や目標を叶えたことを讃え、これからその道を目指す人を励まし、何より性別に関係なく、今よりもっと生きやすい社会にしたいね。と願いを強くする日(だと私は思っています)。

例年であれば、赤やピンクのアイテムを身につけてウィメンズマーチのデモに参加するところですが、残念ながら今年は無理そう。
(せっかく赤い着物を用意してコーデを考えていたのに...笑)
オンラインのイベントもあるそうなので、できる人はぜひ。

youtu.be

ただ実を言うと、3月8日は私にとってあまり外出したくない日でもあります。
なぜなら、大切な人の誕生日でもあるから。

その人は手続き上の不備で、実は誕生日がはっきりしません。「本当は9日かも」って本人が言うぐらい、本当にわからないんです。
今ほど何もかも厳密ではなかった時代、そう言うのよくあったの、もう昔のことだし、どっちでも、と本人は言います。
もう歳だし、そもそも忙しいし、盛大にパーティ! なんてことも好きじゃなさそう。豪華な料理は素敵だけど胃にもたれることもあるし、プレゼントもいらないっていうし。あ、でも好きなアーティストのライブチケット+ホテルの宿泊プランだったら喜ぶかも...。

ただ、もう少し、長生きしてほしいな。
自分の体を大切にしてほしいな、と思うこともある人です。

デモの意義や声を上げることの大事さ、一人が行くことの重さ、イベントを盛り上げる重要さはわかっているところですが、自分のプライベートなことにも時間をしっかり割きたい。
毎年、国際女性デーが来るたびにこのバランスの取り方で慌て、モヤモヤする自分がいます。

そういえば、「女性の政治参加」って話、何度強調してもいいと思うんです。
昨年Netflixで見た映画「ミスレプリゼンテーション」に、関連する印象的な言葉がいくつもありました。

ミスレプリゼンテーション(ネトフリ)

視聴中、「そうそう、ここが変だと思っていたんだよね」と感じたことをズバリと言い当てられている感覚があり、気がつけば手帳にメモを取り出していました。以下、その中から抜粋。

女は男の物語を見るけど、男は女の物語を見ない。

自分のことを物として見る女性は、政治的有効性感覚が低い。

政治家は公益の代表。

体重に悩む時間の1/10を割けば、世界中の問題を解決できる。
↑これは決して「体重をはじめとした見た目の問題に悩むな!」というわけではなく、見た目を気にしすぎ・気にさせすぎなメディアの悪影響を指摘した上で、「私たちはもしかすると『悩まされている』のかもしれない。そんな時間を、世界の問題解決に使うと良いのでは?」という提案です。
少なくとも私はこのように受け取りました。

 

ではでは。

【メモ】新年のご挨拶

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2021年用年賀状イラスト

とっくに寒中お見舞いの時期ですが、せっかく描いたのでイラストだけでもここに載っけておきます。
おめでたいイラストを描きたいはずだったのに、2020年のことを考えているとあまりその気分じゃなく...。

印刷は同人印刷所の応援も兼ねてなないろ堂さんにお願いいたしました。

nanairodo.jp

RGBモードでとっても綺麗に印刷してくださいました。

イラストだけでなく、写真集をお願いしてもいいかも。

ではでは。

【開催報告】1/1 あけおめビブリオバトル

あけましておめでとうございます。
昨日開催したビブリオバトルのご報告です。
 
■1/1 あけおめビブリオバトル
日時:2021年1月1日
形式:オンライン(Zoomを使用)
<紹介された本>
(★がついているものがチャンプ本です)
  1. 岡倉天心茶の本』(2020, PIE International)
  2. 『天神絵巻』(※太宰府天満宮の宝物殿で購入された冊子でした)
  3. ディケンズクリスマス・キャロル』(2020, 角川文庫)
    ※越前敏弥さんの新訳です
  4. 櫻井千姫『70年分の夏を君に捧ぐ』(2017, スターツ出版
 
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
素敵な写真が豊富に掲載された『茶の本』が爽やかにチャンプ本となりました。新年を寿ぐ楽しい会になったと思います。
クリスマス・キャロル』はあの越前敏弥さんが翻訳されていたと初めて知りました。
紹介者の方によると、朗読してもとても読みやすいため、読書会に向いているそうです。
『天神絵巻』の話を聞きながら、いつかまた九州、それも福岡に行ってみたいなと強く思いました。
以前伺う機会があったのですが、研究発表の準備で忙しかったため「博多ラーメン」を食べずに終わってしまったんです泣
屋台も行きたいですねぇ...(お腹空いてきた...)
『70年分の夏を君に捧ぐ』、プレゼンと質疑応答で深く物語の革新に触れる話を聞きましたが、それでもまだこの話のオチではない...さてどうなる?と大変気になる1冊です。
今回も投票迷いましたね。

さて、今年も、またどこかのビブリオバトルでお会いしましょう。

ではでは。

【開催報告】年越しビブリオバトル #bibliobattle

下記日程でビブリオバトルを開催いたしました。
その報告です。
 
<開催日時>
日時:2020/12/31 (22:10〜22:45)
形式:オンライン(Zoomを使用)
 
<紹介された本>
(★がチャンプ本です)
  1. 泰三子『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』(講談社
  2. 泉鏡花『外科室』(乙女の本棚・立東舎)
  3. ★梨うまい『悔しみノート』(祥伝社
 
取り急ぎになりますが、昨日開催した年越しビブリオバトルの様子を簡単にお伝えします。
ご参加いただいた方には感謝でいっぱいです。ありがとうございました。
実は『悔しみノート』、不肖ワタクシ花岡が紹介致しました...主催でチャンプ本...嬉しいですが...がっ...
ちなみに、学研から『キン肉マン「超人」』という図鑑が公式で発売されていることを知りました。今また熱い展開が話題を呼んでいるそうです。
個人的には『ハコヅメ』がとっても気になりました。
元警察官の方が書いてらっしゃるそうで、少し調べるといくつか記事ができています。

gendai.ismedia.jp

doda.jp警察官の過労死が多く、真面目な人ほど仕事を抱え込んでしまうと。
人によっては嫌な思い出が多い...とは思いますが、10年近い勤務の中で培った業界知識がふんだんに盛り込まれ、なんでもない日常からサスペンスフルな話題まで、情緒を振り回す一作だそうです。

また泉鏡花『外科室』もいいですね。
「乙女の本棚」シリーズは、過去の名作を素敵なイラストと共に味わえるシリーズです。
これ以外にも太宰治『女生徒』、谷崎潤一郎『秘密』、夏目漱石夢十夜』など、どれも表紙を見るだけでもとっても素敵です。

rittorsha.jp

以上。