齧っておいて損はない「チップス」 / 小林昌樹『調べる技術』

こんにちは、猫子です。

「2月に読んだ本・映画」をブログ記事にまとめたはいいものの、人に見せられる状態ではないため、ひとまず直近で読んだ本を。

 

当方、仮にも学部で司書課程を取り、大学院生として歴史学をやっていた身。
知りたいテーマがあればそれなりに文献は見つかるでしょー、と調べてまとめて研究会に持ち込んだところ...

「このテーマなら〇〇も当てはまるかも。読みました?」
Googleで検索したら△△って出てくるけど、これも参考になるんじゃない?」
「(割と日付が直近の某新聞紙)に□□って記事が載ってましたよ〜」

え、何それ知らん...。

伏せ字にしたところは全部自分が関心を持っているテーマの文献で、Googleはもとい、NDLOPAC(国立国会図書館の蔵書検索)で1〜2語を叩けば出てくる類のレベルのものばかり...。

その場では「ありがとうございます!調べてみます」と返すものの、実際は「なぜ知っているデータベースで検索をしなかった自分ー!バカー!あほー!」と自己嫌悪の嵐である。

...という経験を何度かしているため、調べ物については非常に自信がない。

(正直、この経験で後悔して行動を変えておくのは学生時代に済ませておくものではあるのだが...)

だから、この『調べる技術』をSNSで見かけた時はすごくワクワクしたし、買って読めることを楽しみにしていた。

基本的には日本語圏内で閲覧できる人文系データベースの特徴を踏まえ、知りたいことに合わせてどのように検索をかければ良いか?というノウハウを記載したもの。その合間に日本の図書館、もといレファレンス(リファレンス)の裏事情を批評的に眺めるつぶやきのような話や、玄人向けのコラムも挟まれている。

読みながら思うのは、データベースを作ることって本当に大変な作業であること。
そして、国会図書館に死蔵されている資料がまだあるという話に、全文検索できたらいいなという気持ちと、実現は遠い未来なのではないかという悲観が混ざり合う...。

どの職業にも言えることだけど、ベテランほど隙間時間を短縮するちょっとした小技(チップス)を熟知して無言で使いこなしているもの。ただ、その小技ほど言語化が難しいので人に伝えることが難しく、単なる「経験の差か...」となって終わってしまうのだと。

まだ自分はできていないけれど、この本を片手に自分で検索をかけ、知りたいことにどのように近づけるかをやってみないと身につかない気がする。

実用書として手元におき、しばらく調べ物のお供にしてみよう。